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<審判・失踪者>出演者 ミニインタビュー Vol.8

ミニインタビュー 第8回は・・・

高田恵篤さん(写真左)×斎藤歩さん(写真右)です!


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○今日はどうぞよろしくお願いします。ではお二人のご紹介を、
・・・まず高田さんから、お芝居はいつごろからどのような形ではじめたのですか?

高田:富山出身で、明治大学に入った、遊ぶ仲間を見つけようと思っていた頃に、演劇研究会の看板を見つけた、素敵な女性が看板をたててた…(笑)それで大学生のときに、学生演劇で始めました。明治大学の演劇研究会で、そこには同世代に女優の柴田理恵さんがいたんだよ。その頃の学生の間では別役実さんの戯曲がはやっていて、自分がはじめて役者をしたのが別役さんの「あーぶくたった、にぃたった」の男1だった。当時はつかこうへいさんや清水邦夫さんが人気を博していた時代だった。

○その後、“演劇実験室 天井桟敷”に入団されました。

高田:競馬が好きで、競馬中継見ていたら、寺山修司さんが出演していて、おもしろい人だなとおもって興味をもったのがきっかけなんだけど(笑)、それから“演劇実験室 天井桟敷”に興味を持って入団試験を受けた。海外公演もした。天井桟敷では、晴海埠頭の国際見本市会場のど真ん中に舞台を組んだりして公演したりしたよ。天井桟敷の数年先輩に(本公演で共演の)福士惠二さんがいたんだよね。

○寺山さん亡き後、“演劇実験室 万有引力”にも参加されました。

高田:天井桟敷の仲間と、寺山さんの意思を受け継いで上演していこうということで万有引力が出来たんだ。今も所属しています。

斎藤:学生時代に万有引力の札幌公演を見ましたよ。当時一緒に劇団をやっていた仲間が手伝っていて、現地調達しなくちゃならない生きた鶏とか(笑)、探したりしてた。

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○斎藤さんは演劇はいつから?札幌出身ですね。

斎藤:北海道大学の学内サークルで演劇を始めました。学内にテントをたてて上演したりして。それから大学を中退して学生時代の仲間と札幌で劇団を立ち上げして演劇活動をしていました。魴鮄舎(ほうぼうしゃ)という劇団とAGSという劇団で、作・演出・出演をしていました。AGSは東京公演もしましたし、「ゴッホからの最後の手紙」という作品は世田谷パブリックシアターで上演しました。僕が若い頃は、札幌でも86年に開館した北海道初の演劇専用劇場・札幌本多小劇場という小劇場が出来たりして小劇場ブームの流れがあって、劇団では第三舞台とか夢の遊眠社がはやっていた頃かな。でも僕らは、松本さん曰く、唐十郎さんに影響を受けている、作品を上演していました。

○松本さんとはどのように出会ったんですか?

斎藤:札幌で劇団活動をしていた頃に、松本さんが北海道演劇財団の常任演出家になって、僕が手伝うようになったことで知り合いました。それで年に2本くらい一緒にお芝居を作らせてもらうようになって…たとえば「わたしが子どもだった頃」公演とかね。それで松本さんが世田谷パブリックシアターで演出する「孤独な惑星」のリーディングに呼んでもらって、はじめてシアタートラムにたちました。

○北海道演劇財団の劇団TPS(シアタープロジェクト札幌)のチーフディレクターとしてもご活躍ですね。

斎藤:はじめは、北海道演劇財団が主催するプロデュース体で公演をおこなっていて、そのとき松本さんが常任演出家だったんですが、01年に劇団化するということで僕がチーフディレクターに就任して7年経ちました。TPSでは、シアタートラムで上演した「冬のバイエル」という作品を演出したこともあります。

○高田さんも演出活動も盛んですね。

高田:学生時代も、万有引力でも演出したことがあります。世田谷パブリックシアターでやった『土方巽とともに 昭和というかげろう』(土方巽記念アスベスト館主催 98年)という舞踏公演にも出演して、演出しました。去年シアタートラムで上演した「糸地獄2006」(プロジェクト・ムー主催、岸田理生作)でも演出しました。

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○お二人の世田谷パブリックシアター/シアタートラムとの接点は?

斎藤:ほとんどが松本さんの作品ですね。松本さん演出の「孤独な惑星」「ガリレオの生涯」「三人姉妹」「アメリカ」・・・あとは佐藤信さん演出の「リア」、串田和美さん演出の「コーカサスの白墨の輪」などに出演しました。

高田:劇場が開場して間もない頃かな? 松本さん演出の「ふしぎの国のアリス」「ピッチフォーク・ディズニー」 、佐藤信さん演出の「ロベルト・ズッコ」「ふたごの星」、サイモン・マクバーニー演出「エレファント・バニッシュ」などですね。一年中、世田谷パブリックシアターに通っていた年があったね(笑)。


○「審判」「失踪者」公演は、カフカの小説を舞台作品にする作業があります。どのようなことに気をつけているんですか?

斎藤:高田さんも僕も、演出をするからかもしれないんだけど、小説のある部分を即興で芝居に起こすときに、その場面の流れを全体で見てみてとららえてみるんだよね。

高田:芝居にしたときにおもしろいところだけ抜き出す。他は捨てる。それで全体を構成してみる。実際には、誰かがリーダーシップをとらなきゃ芝居にならないから、そのエチュードの流れをまず決めて、まとめようと思うね。

斎藤:構成のうえで、ある仮説をたてて、方向性を決めることが大事だと思う。その上で書かれていることを大づかみにして流してみる。その流れが間違っていないかどうかは演出家が判断してくれるから。

高田:大切なのは芝居として成立させることだからね。小説を即興でやってみるっていう作業をしてるんだけど、あるときに、そこから、舞台で上演するお芝居にしていこうという考え方を持っていくことが重要になるの。芝居としてのおもしろさを考えて、不必要なものを排除して、必要なものだけ残していくようにしてる。その考え方を変換する、あるとき、っていうのが来るんだよ。

斎藤:小説を素直に読んでいたら長いしね(笑)やっぱりお芝居だから、観客と芝居を共有できるようにしなくちゃならないから。

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○今回は二本立てです。

高田:「失踪者(アメリカ)」は主人公カールがアメリカという国でどんどん場所を移動して、めまぐるしく状況が変化していく魅力があるんだけど、「審判」は逆にプラハだけで展開する物語なんだよね。まずその違いがある。さらに登場する人物のイメージとして、「失踪者」のアメリカは、新しい国を作る、プラハに比べたらイキイキとしている人物が登場するんだけど、「審判」はプラハの旧体制の人間たち…どんよりした、目がよどんだような、そういう人たちが登場する気がしているんだよね。かといってどんよりした芝居だけじゃあつまらないから、工夫が必要なんだけど(笑)登場する人物の性格が違うと思うので、そこの違いを、どうやってやるか、かな。

斎藤:「失踪者(アメリカ)」はお芝居をするっていうことよりも、着替えたり転換したり舞台で芝居をしたりっていうことを、全員で勢いよく魅せていく、っていうイメージなんだけど、「失踪者」に比べて「審判」は役者の“芝居する”っていう仕事が、より必要な気がしているね。だから「失踪者」と同じ芝居の仕方じゃ芝居が滑っていってしまうから、そういう意味で役者個人々々が、演じる人物をきちんと“ものがたる”必要があるような気がしています。

○初演から、半数の出演者が変わりました。初演から出演しているお二人ですが・・・

斎藤:僕にとっては、「失踪者(アメリカ)」で、初演・再演とは違う役がついたし、一緒に組むメンバーも変わったので、大きく変わりました。それに出演者がかわると、作業は一から作らなくてはならないから、本にたちかえって、今回の共演者とあらためて作業しています。

高田:初演や再演で作られたシーンが、どういう経緯で出来たか、どうして必要なのかっていうことは示してみようと思ってる。それを踏まえて今いるメンバーでどうやっていこうかっていうことだから。

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○二本立てですが…大変さもあります。

斎藤:レパートリー上演っていうことだよね。

高田:舞踊だと、3本立てとかあるけど…ひとつが3時間の芝居を二本立てだからね…(笑)

斎藤:最初、この企画のことを聞いたときは、「うそーほんとにやるんだー」って思ったんだけど(笑)。俳優も大変だけど、スタッフも大変だよね。衣裳や道具がたくさんあるバックステージはどうなっちゃうんだろうね(笑)

高田:入れ替えるんだよねえ。

斎藤:毎日、旅公演してるみたいなものだよね。そういえば今回の旅公演も…冗談だと思ったんだよね(笑)

高田:(笑)

斎藤:楽な芝居ってないもんだね(笑)

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○さてさて、今度はプライベートなことを。お休みの日などは何をなさってるんですか。

高田:飲酒(笑)

斎藤:飲酒だね(笑)だけど、休みがないんだよね。

高田:大リーグが好きだから、中継を見ながら、飲酒だね(笑)今日もヤンキース負けちゃったんだよ…ヤンキースが好き。

斎藤:僕は本当にゆっくりした休みがあれば、この時期はイクラを漬けたいの。北海道の漁師さんが生筋子をどっさりおくってくれるから、漬けるんだ。おいしいんだよ。携帯の待ち受け画面は一昨年つけたイクラ(笑)。漬物を漬けたり、ダシをとったりするのが好き。

高田:競馬も好き。昔は毎週、府中競馬場に行ってた。

斎藤:競馬も、競馬場に行くのがいいんだよね。

高田:サラブレットはきれいだよ(笑)。

斎藤:あんなにきれいな生き物いないよ(笑)。


○では最後に、ブログをご覧になっている方にひとこと…

斎藤:お客様には、ぜひ2作品とも観てほしい。

高田:見るなら両方だよね。公共劇場でなくてはできないよね。

斎藤:シアタートラムに通ってみようっていうことでね。わざわざこんなに大変なことをしてる人たちがいるんだなー、なんておもっていただければ(笑)

○(笑)。ありがとうございました。初日まで一ヶ月、どうぞよろしくお願いします!

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高田恵篤
1957年富山県生まれ。79年寺山修司主宰「天井桟敷」に入団。解散後「万有引力」結成に参加。演出、俳優としてさまざまなジャンルで活動。主な出演作品、『エレファントバニッシュ」『アメリカ』『城』等。フリー。


斎藤歩
1964年生まれ。北海道出身。様々な舞台で、演出家、脚本家、俳優として活動。1996年札幌市文化奨励賞受賞。2000年「逃げてゆくもの」(演出:斎藤歩)が2000年度文化庁芸術祭演劇部門優秀賞を受賞。2003年「冬のバイエル」(作/演出:斎藤歩)が東京新聞賞の現代劇ベスト5に選ばれる。最近の舞台出演は、「リア王の悲劇」(演出:佐藤信)、 「コーカサスの白墨の輪」(演出:串田和美)、 「桜の園」(演出:熊林弘高)、「わが闘争」(作・演出:鐘下辰男)などがある。ノックアウト所属。

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2007年10月20日 15:16に投稿されたエントリーのページです。

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