マルチクリエイターいとうせいこうさんと、芥川賞作家奥泉光さんによる『文芸漫談―審判』が、
シアタートラムにて行われました。
「文芸漫談」はその名の通り、名作文学をお二人がおもしろおかしく語っていくというものです。
これまで「文芸漫談」で取り上げられてきた作品は、ゴーゴリの『外套』『鼻』、カミュの『異邦人』、夏目漱石の『坊ちゃん』などなど。
語り口の鮮やかなお二人にかかれば、敷居が高く見える名作文学も、わかりやすく楽しいものに早変わりします。
今回は、特別に『審判』公演に合わせて、舞台上で『審判』について語ってもらいました。
奥泉さんは小学生の息子さんがいらっしゃり、PTAのイベント企画担当者を務めていらっしゃるそうです。
奥泉さん「このまえ息子が通っている小学校で饅頭とうどんを作るイベントを行ったんですよ。」
いとうさんは現在、園芸雑誌『PLANTED』の編集長を務めています。
いとうさん「仕事で3日前までタヒチにいました。」
そんなカフカとは全く関係のないお二人の日常の話題から始まった『文芸漫談』ですが、
いつのまにか鋭くカフカの話題に切り込まれていました。
「審判」の原題である「Der Proceβ(ss)」(プロツェス)には訴訟や過程という意味があるということ。
カフカ作品の不条理性には際限がないこと。
随所に演劇の要素が見られること。
(たとえば、芝居鑑賞から帰ってきたビュルストナー嬢の前でヨーゼフ・Kの逮捕を再現することなど)
カフカの女性観は童貞的であること。
などなど。
軽妙な語り口なので、会場からはクスクス笑い声が聞こえてきます。
しかし、話されている内容はカフカの本質を衝いたひとつの文学論と言えるものなのではないでしょうか。
最後は、奥泉さんによる『審判』をテーマにしたフルートの即興演奏で幕を閉じるかと思いきや・・・・・・、
なんと、次回の「文芸漫談」で扱われるマルグリット・デュラス『愛人(ラマン)』をテーマにした予告曲が奏でられ始めました。
サービス精神旺盛な奥泉さん。素晴らしい演奏ありがとうございました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次回の「文芸漫談」は・・・・・・
マルグリット・デュラス『愛人(ラマン)』
2008年1月19日(土)
18:30開場 19:00開演
料金:2,000円(全席自由)
会場:北沢タウンホール
チケット問合せ:K・企画 (TEL&FAX:03-3419-6318)
北沢タウンホール(TEL:03-5478-8006)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『愛人(ラマン)』あらすじ
「18歳で私は年老いた」
15歳のフランス人少女が、メコン河の渡し船の上で、上品で金持ちの中国人男性と出会う。
死ぬほどの悦楽と家庭の事情のため、少女はこの中国人の<愛人>となることを選ぶ・・・
デュラス自身の分身を主人公にした、フランス本国で150万部以上のベストセラー小説。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・